新発見 東かがわ市・さぬき市の歴史14 ~昭和8年竣工の現役橋~

さぬき市長尾では昭和一桁代にさまざまな施設が建設されました。主な事業として長尾尋常小学校(現長尾小学校)の運動場の拡張と講堂の新築、鴨部川上流の砂防ダム建設、長尾を基点とする県道高松長尾大内線の新設が挙げられます。こうした事業をリーダーとして推し進めていったのが6代目長尾町長の国方清二でした。彼は大正15年から昭和17年までの16年の長きにわたり長尾町長をつとめ、立て続けにさまざまな事業を遂行していきました。

その中で昭和8年に実施されたのが長尾尋常小学校の講堂と県道高松、長尾、大内線の建設でした。奉祝門を建てて祝う様子が写真に残されています(※写真1)。当時の講堂は昭和53年に鉄筋コンクリート造として新築され、道路も昭和30年代に舗装されて当時の景観を想像するのは難しいですが、橋の欄干は今も現役です。橋は3か所に残り、東から①東橋(ひがしばし)※写真2、②恵比須橋(えびすばし)、③白石橋(しらいしばし)で、各橋の親柱には「昭和八年竣工」のプレートがはめ込まれています。欄干の形は3つの橋でそれぞれ異なっており、昭和初期の息吹を今に感じさせます。

写真1:県道と長尾小学校講堂落成記念式
写真2:東橋

さぬき市教育委員会では今回取り上げた内容を含めて、約100年前の長尾の写真とその50年後、そして現代の写真を比べた特別展「写真・刊行物でふりかえる長尾の100年」をさぬき市公文書館で開催しています(2023年12月28日まで)。ぜひ足をお運びいただき時の流れを感じていただけたらと思います。

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