IZXシステム (膜分離高負荷生物脱窒素処理方式)
IZXシステム(膜分離高負荷生物脱窒素処理方式)は、単一槽でBODと窒素を同時に除去するIZシステムに、UF(限外ろ過)膜分離技術を結合した、最新式の膜分離型リアクターシステムです。
システムのメリット
- 無希釈
工程水以外の希釈水を用いません。 - 単一槽
硝化・脱窒・BOD酸化を一つの槽で行います。 - 運転が容易
UF膜の分離特性により、汚泥管理がきわめて容易です。 - 安全な水
高度処理により、衛生的で無色透明な処理水になります。 - コンパクト
単一槽とUF膜装置で構成された小さな施設です。 - エコノミー
小さな施設と高効率がコストを削減しました。
UF(限外ろ過)膜分離装置
UF膜は、超微細な孔を持つ高分子膜で、分子レベルまでの物質を分離する高度な性質を有しています。膜の素材は汚染に強く薬品に耐性のある材質を使用しており、安全で衛生的な処理水を実現します。
チューブラー型UF膜
ブラー型モジュールのチューブ内をUF膜と平行に、また透過水は垂直に流れるクロスフロー方式でろ過を行います。このため、ろ過物の膜面への堆積がなく、膜の洗浄・交換といったメンテナンスも簡単です。
工程別処理水
- 除渣し尿
- UF1透過水
- UF2透過水
- 活性炭処理水
放流水水質
pH | 5.8~8.6 |
---|---|
BOD | 10mg/ℓ以下 |
COD | 20mg/ℓ以下 |
SS | 10mg/ℓ以下 |
T-N | 10mg/ℓ以下 |
T-P | 1mg/ℓ以下 |
色度 | 30度以下 |
大腸菌群数 | 100個/mℓ以下 |
し尿処理各設備の紹介
受入貯留設備
トラックスケールで計量されたし尿・浄化槽汚泥は、受入口から投入され、沈砂除去された後、スクリーンにより夾雑物が除去され貯留されます。除去された夾雑物(し渣)は、スクリュープレスで脱水した後、焼却処分されます。
膜分離高負荷生物脱窒素処理設備(IZX処理)
硝化脱窒素槽に投入されたし尿・浄化槽汚泥はIZ循環ポンプによってオーバーフローシャフトに送られ、空気とともに勢いよく槽内に噴射されます。この際大量の酸素と微生物により、腐敗物質(BOD・COD)やアンモニアの大部分が急速に分解されます。生物処理された脱離液は、UF1膜分離装置より濃縮水と透過水に分離されます。濃縮水は汚泥乾燥焼却設備及び硝化脱窒素槽へ、透過水は高度処理設備(凝集膜分離設備)へ送られます。
汚泥乾燥焼却設備
凝集汚泥は脱水後、さらに乾燥し、焼却炉で脱水し渣と共に焼却処分されます。また、乾燥汚泥肥料として袋詰し、農地還元することもできます。
脱臭設備
高濃度臭気は硝化脱窒素槽の空気源として利用し、生物脱臭されます。中濃度臭気は薬品によって分解脱臭及び活性炭脱臭し、低濃度臭気は活性炭により脱臭されます。
高度処理設備
凝集膜分離処理
UF1膜分離処理水は、薬品で処理したあと、UF2膜分離装置により、CODなどが除去され、より透明に近い高度な処理水となります。
活性炭処理
UF2膜分離処理水は活性炭吸着塔により残存するCOD、色度が除去され無色透明の処理水になります。
その他設備
電気・計装設備
中央監視室では、受入から放流まで全処理工程をコンピューターにて集中管理しています。総合的な状況判断と処置対応をコンピューターに指示することにより、安全な処理管理が行えます。またCRT(データロガー)には多種多様のグラフィック画面が用意され、機器の稼働状況・温度流量水質分析等がリアルタイムに表示します。
水質試験室
水質試験室では、処理が完了した放流水のpH・CODを常に自動計測し、安定した処理が行われているかをチェックします。また、各設備別に絶えず水質を計測し、正しく処理が行われているか厳しく管理しています。