新発見 東かがわ市・さぬき市の歴史16 ~令和3年に実施した白鳥廃寺の発掘調査成果について2~

白鳥廃寺は東かがわ市湊に所在する古代寺院の遺跡で、東に延びる2つの丘陵にはさまれた谷部の平地にあります。昭和43年に最初の発掘調査が実施され、東に塔跡、西に金堂跡(西方基壇)を配置した境内であったことが指摘されました。また、出土した多量の古瓦から飛鳥時代から平安時代にかけて寺院があったと考えられています。以来、今日まで複数回の発掘調査が実施されましたが、令和3年は塔跡、金堂跡から南の地点で発掘調査を実施しました。この調査で判明した主な成果は2点あります。今回は調査成果の後編になります。

昭和58年実施の調査では塔基壇から13m南の地点に東西に延びる石列が確認されました。今回の調査ではその西側の調査区1を発掘調査し、石列がそのまま西側に直線的に延びていることを確認しました。石列は北面を揃え、北側には小礫を敷き、石列の南側は北側よりも20㎝高く盛土されていました。石列は基壇の北面と推測され、石列の北側で多数の瓦片が出土したことから基壇上には建物が建っていた可能性があります。建物の性格は回廊が予測されますが断定にはさらなる検討が必要です。そして、今回の調査で加えて明らかになったのは、この石列の下の土中からも瓦片が多数発見されたことです。この発見により、石列は境内を再整備した時のもので、土中には創建時と再整備時の2面の痕跡が残されていることが明らかになりました。それぞれの年代等は出土遺物を整理しながらこれから追究していきたいと思っています。

石列とその北側の瓦片
調査状況平面図
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